昨晩、成人式以来に会う中学時代の友達と石神井に行った。
石神井公園の池は、遊歩道から水面までの距離が近く、油断をすればドボンといけるぐらいだった。
そんな場所を夜に歩いているわけだからなかなか怖く、黒い水面には人を引き込む力があるよなあという話をしながら池の周りをなぞっていた。
私は魚を見るのが好きで、できるだけ大きい魚を見たい、願わくばこの世にいるとされるどんな魚よりも大きい魚を見たい、という気持ちが常にある。
そんな欲望を友達に聞かせながら、すぐそばの水面下ではまさにそんな魚が私の言葉を聞いているかもしれないと思えばぞくぞくした。
友達が急に立ち止まり、
「ここから見ると、あの木からぶわーっと他の木が広がっているみたい」
と言った。
同じ場所に立ち、友達の指差す方を見てみると、なるほどこれは、と思わされ、
「一点透視図法でいう消失点だね、あの木は」
と言ったら、
「中学の美術で習ったことをよく思い出せるね」
と褒めてくれた。
義務教育で習ったことはかなり記憶できている。
その日見た夢では、屋形船のようなところにいて、大学の友達が巨大なウツボを釣り上げた。
私の理想にはほど遠い大きさだが、それでも巨大魚が身近に現れる体験をできたのだから良い夢であった。