オリンピックいつ始まるんだろうと思っていたら開会の日を迎えていた。毎回ちょっと気になることだけど、開会式前に予選を始めちゃってるのはなんなんだろうか。そこで絶望的な負け方をしたら、開会式の入場時に暴れてやりたくなったりしないのか。
開会式。国ごとの入場のところは一部ラジオで聴いていた。NHKの男性アナウンサーと、今はマラソン解説で有名な増田明美が2人でコメントをしていた。その増田明美の発言が常に危うさを持っていて面白かった。具体的には再現しにくいが、なんというか、NHKが発する情報に対して一般が求めるものとは全く異なっていたのだ。
例えば中国が登場した際に、男性アナウンサーが「卓球の伊藤美誠が中国の選手と一緒に練習して、おにぎりをもらうような光景もあった」というエピソードを話すと増田明美は「何のおにぎりだったんですかね。ちまきでしょうか。ちまきですかね」と膨らませていた。どういう根拠でちまきだと思ったんだろう。増田明美は中国に行った時ちまきしか食べさせてもらえなかったのだろうか。
ブータンが登場したときには「幸せの国!」とだけ元気よく言って閉口していた。
しかし、日本ではあまり馴染みのないような国が現れたときに「この国には陸上800メートルで強い選手がいますね」と急にスラスラ語り出し、ちゃんと陸上の知識はあるんだと思い知らされたのも面白かった。
総じて私は笑っていた。いいものを聴いたと思った。しかし番組としてはもっと台本があってもよかったんじゃないかと思う。
明日からは日中ずっと何かのスポーツが中継されているので、退屈しなさそうでよい。一方、スポーツに興味がない人にとっては地獄のような日々が始まるのだろう。例えば私はテレビ番組の中では「通販番組」が最も興味を持てないが、それが何週間もぶっ続けで放映され、ニュースでも取り上げられ、金曜ロードショーなどを見ていても速報で「ジャパネット 今大会での受注10万件突破」などと出てくるような世界になったらだいぶキツい。
現在の日本でのオリンピック開催の是非について私はまともに考えていないので何も語ることはできないが、どんなに日本の景気がよくとも、世界が平和で包まれようとも、単純にスポーツへの興味がゼロだからという理由でオリンピックに反対する人々はある程度いて当然だと思う。
おじゃる丸はしばらく放送されないようだ。
「俺はおじゃる丸を見たいのに、なぜ知らない外国人が走ったり球を投げたりする様子を見させられなきゃいけないんだ……」と嘆く人もどこかに必ずいるのだろう。