2024年8月29日 シャニマス野球二次創作


わかめラーメン、パスタ


焼き肉、ブロッコリー、もずく、ごはん

三遊間方向に転がる強い打球が二度バウンドしたころ、キャッチャーマスクを着けた福丸小糸が立ち上がり、叫ぶ。

「透ちゃん、ふたつ!」

オッケー、と浅倉は呼吸まじりに小さくつぶやき、左膝を滑らせながら逆シングルで伸ばしたグラブの先にボールを収める。

慣性を残したまま右脚一本を軸に立ち上がり、前のめりの上半身で二塁を向きつつ、振り子のようにしならせた右腕で送球する浅倉。その先で待つのは、余裕を持ってベースカバーに入っていた樋口円香。幼馴染のプレーに応える形で1つ目のアウトを取る。

樋口は間もなく一歩前に踏み出し、上手にちょっとぶつかろうとする走者大崎甘奈のスライディングをいなしては、ヘアピンによって視界が確保されている左目で一塁方向を睨み、もう1つを狙うべく大きく腕を振る。

先輩たちからのパスを受けるファースト市川雛菜は、待ちきれぬとばかりに身長165cmの手脚を伸ばす。その槍の先に立つ甘奈は二塁ベース上から動かぬまま、祈るように姉の走塁を見守る。

6-4-3対大崎甜花の競争を追う球場は静寂に包まれた。刹那、波が岩肌を打つかのごとく、ファーストミットの皮を叩く音が響く。足元に目をやれば、バッターランナーも一塁を踏みしめている。ベースコーチャーの桑山千雪は大声と身振りでセーフを主張する。

止まらない時の中で願われるダブル・イフェクト。

勝敗を決す塁審天井努の腕は、縦に振り下ろされた。

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