文フリに行った日のこと

2019年11月24日、文学フリマ東京という文芸同人誌の即売会に行ってきた。
去年も行こうかなとぼんやり思っていたが結局行かなかったのだ。
今年は大学の先輩やツイッターでフォローしている方々が合計3組出店することを知ったので、そんなら買おうと思って行った。ちなみにこの日はコミティアという漫画の同人誌即売会も行われていたようで、そっちにも行きたかったが移動がだるかったのでやめた。次は行きたい。

文フリでは、事前に把握していたサークルのものだけ、合計3冊買った。
とはいっても、あるサークルでは2冊買って、あるサークルでは既に新刊が売り切れてしまっていたので買えなかった。景気が良くていいことだ。買った本は楽しく読んでいます。(ちなみに新刊が売り切れたサークルの知人からは帰り道で連絡が来て「1冊手に入ったから今度会ったときに」と言ってもらえたので楽しみです。ありがとうございます)

会場全体の雰囲気は明るくて賑やかで、寝不足かつその日何も食べていなかった私の目(を通して情報を受けた脳)にはなにか大きな賑わいの塊がボンと存在しているように映ったが、各ブースに目を向けるとそれはたしかに同人誌即売会の様相であった。悪く言っているわけではなく、これは自らの体験に基づく表現である。

というのも、私は文学フリマに出店したことがあるのだ。文学フリマ前橋というもので大学の友人とともに小説や詩やエッセイをまとめた冊子を売った。私の同人誌即売会デビューである。それまでは出店どころか客として足を踏み入れたこともなかった。
てことで我々は誰も何も分からず参加したわけだが、ま~売れなかった。2、3冊しか売れなかった。むしろ2、3冊売れてよかったと思う。

ああいう場での売る側の姿勢というのは、とにかく待つことしかないようだ。積極性を出すとすれば、自ブースの前を通った人に対して、驚かせないぐらいの声の大きさで「○○について書いてます。立ち読みだけでもどうぞ~」などと優しく発するのが限られた手段として認められているのだろう。ゆっくり言っても間に合わないし、早口でも圧を感じさせてしまう。まして「さ~、らっしゃいらっしゃい! 小説、短歌におもしろエッセイ! 書きたてほやほやの文章がギッシリだ! ぜひ読んでって!」と威勢良く呼び込むことなどできない。普通に注意されると思う。難しいところだ。
ただ、適切に声をかけても、「見本誌コーナー」という公式に用意されたところで気になるものは事前にチェックしている人がある程度いると思うので、現場で足を止めてくれる人がどれほどいるのかは分からない。
たまに看板を持って歩く人も見たな。
あとは他のブースに赴いてコミュニケーションをとったのち「私もあそこで○○についての本を出してるのでよかったら来てください」などと宣伝する人もいた。私は実際にこういう形で宣伝を受けてそのブースに足を運んだし、それを真似して他ブースの本を拝読するついでに宣伝したりもした。今思ったけどこれってマナー違反だったりしないかな? そこで何かを買った場合じゃなければ言うべきでない、とかあるかな。ちなみに文学フリマ前橋は東京に比べると会場も大きくなく、ガヤガヤするほどお客さんが会場にいるわけではなかったのでこういう動きをしてないと間がもたなかった。

話は戻って今回の文学フリマ東京でも、この時の我々と同じ気配を漂わすブースがいくつか見られて、あーと思ったのだ。私の中で強く印象づけられていた「同人誌即売会の様相」である。それぞれが売る本の魅力が、伝わるべき人に伝わることを願う。
とにかく新刊が全て売り切れるサークルってすごいよ本当に。
そして、こういうのは当日までの宣伝がかなり大事だな、と痛感した。私だってツイートを見なければ知人の書いたものが出店されるなんて知らなかったし。
いつかまた出店する機会があったらそのときは告知しまくろうと思う。

この日は環七通りを一部観察してから帰路につき、サイゼリヤに行った。隣の席で映画のキャスティング会議みたいなのをしていて、名だたる俳優の名前がぽんぽん挙がってくるのですごいなと思った。予算が集まるとこういう話も現実的なものとして成り立つんだな。
「俺が考えた最強の侍ジャパン」みたいなレベルの話を本気でできるのだから。まあ責任は伴うが。

帰り際、会計で1000円札を出すつもりがてんやの100円引き券を出してしまい店員に笑われた。

私は車の運転をするたびに楽しいなと感じる。
そして、人と交際したいという願望はないものの、ドライブデートは絶対に楽しいものだろうと信じている。どうですか経験者の皆さん。
インスタのストーリーなどで、ドライブデート中の助手席から撮った動画を見るとかなりグッとくる。声が発されていなくても、その時速60キロで移動する小さな世界の密度を強く感じる。
あれはいいものだよ。きっと当人たちにとっても。

ちなみに私は本当に安全運転を心がけたたいという気持ちがあるため、「カッコいいところを見せるためにスピードを出す」みたいなことは絶対にしないと思う。
これは相手の身を思ってとかではなく、私自身が交通ルールをめちゃくちゃ守りたいからだ。仮免、本免ともに学科試験を満点で合格したという自負もある。交通ルールはよくできたルールなので、そのルールに対し敬意を表す意味も込めて私は無理な運転をしない。
最悪、デートの相手は死んでもいいから交通ルールを守りたい。

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