2022年5月2日、16時ごろ。
空腹だった私は「松屋に行きたい」と思い、松屋のホームページを見ていた。
すると、これまで不定期で販売されていた人気メニュー「ごろごろ煮込みチキンカレー」が、常設のグランドメニューに昇格したことを知った。
たしかに美味しいので、いつでも食べられるようになったのは嬉しい。Twitterのタイムラインを見てみると、やはり歓喜している人がいた。
次の画像は松屋ホームページに掲載されていた、ごろごろ煮込みチキンカレーのグランドメニュー化を宣伝するものだ。
「レギュラーメニュー化」のほかにも「カレールーの増量」が実施されたことがわかる。
しかし何よりも衝撃の情報だったのはこれだ。
カレーのルーが増量されるだけでなく、ライスの量も特盛まで一律料金だという。
すごい。嬉しい。
実は松屋は、ごろごろ煮込みチキンカレーの昇格と同じタイミングで、メニューの改訂(値上げ)を実施していた。
全体的に値上げせざるをえない状況だとしても、ライスは特盛まで同じ料金にしてくれる懐の広さに感動した。その寛大さに甘えて、お腹いっぱい食べようと思います。
改めて、画像中の文字を起こしてみる。
>グランドメニュー化と同時にカレーのルーも
>増量するなんて(一体誰が考えたのか!?)
>しかもこのタイミン
>ライスが特盛も
>無料!!?
>このご時世に大
「グランドメニュー化」「ルーの増量」「ライス特盛無料」。景気のいい情報ばかりだ。祝福するように松屋のアプリを開いて、テイクアウトの注文をしようとした。
「ごろごろ煮込みチキンカレー」
並盛 ¥630
大盛 ¥690
なんと大盛が普通に高い。
そして特盛の選択肢が無い。
もしかしたらテイクアウトは適用外なのか、と思ってモバイルオーダー(スマホで注文して店内で食べる)にしてみたけど同じ料金だった。
どういうことだろう。
もしかしたらメニューの更新直後だからアプリの情報は古いままなのだろうか。しかし金額の表示というデリケートな問題でそんなラグが生じうるだろうか。何かがおかしい。
「……そもそも松屋のカレーって特盛とかあったっけ?」
そう思った矢先。アプリ内で、ごろごろ煮込みチキンカレーの宣伝画像を見つけた。
アプリ向けの画像は横長で、表示される文字のレイアウトも異なっていた。
ん!?
「定食のライスが特盛も無料」!!?
先の画像では「定食の」などという文言は見当たらなかった。じゃあカレーのライスは増量に応じてお金がかかるということか!!?
ニュースリリースをよく読むと、ライスの全サイズ料金一律化は「定食・ライスセット・朝定食」に限ったものだということが書かれていた。そして元からカレーに特盛の選択肢は無かった。
結論、私は早とちりしていたということらしい。
でもさあ……、
これを見たら「カレーのライスを無料で増やせるんだ」と思うのは仕方ないだろうよ……。
と、こんな調子で一喜一憂していたら素直に松屋へ行くのが悔しくなったので、スーパーで鳥もも肉を買い、チキンカレーを作って食べた。
これもこれで美味かったが松屋のものとは全く別の味で、「ごろごろ煮込みチキンカレー」の舌になっていた私の気持ちは満たされなかった。
ひねくれてすいませんでした。次は素直に松屋行きます。
反省しながらカレーを食べ、この日を終えた。
翌5月3日、19時30分。
まだ残っているカレーを食べながら松屋のホームページを見ていたら、思わぬ変化を発見した。
これは最初に見た画像と同じところに掲載されていた画像である。
「定食のライスが無料」となっている。
前日のものと比較しよう。(私は前日の時点で当該画像を保存していた)
「ライスが特盛も」の部分が、
「定食のライスが」に変化しており、ここ以外の部分は文章もレイアウトも一切変わっていない。
今回の論点になっていた箇所だけがピンポイントで修正されている。これなら私が陥ったような誤認は起こりにくい。
察するに、私と同様の誤解をした消費者がいたのだと思う。あるいは松屋内部から「これ紛らわしくないすか?」という意見があったか。
いずれにしても、最終的に松屋サイドで「当初の画像では良くない」という判断がなされたのだろう。私は完全に翻弄されてしまった側の消費者だったので、英断だと感じる。
ずいぶん長々と語ってしまった。まあ無料のライス増量は無いとは言え、グランドメニュー化とルー増量は誉れなことなので、より分かりやすくこの事実が広まれば私も嬉しいです。
そして松屋の広報に意見を届けてくれた誰か、ありがとう。あなたのおかげで無駄な葛藤とぬか喜びをする人の数は少なくなったはずです。その集団を代表して感謝します。
以上、私の困惑と松屋による修正の顛末でした。