目が覚めたらここにいた。
昨日作った鶏とナスのやつはいい感じになっていた。美味かった。
鶏の脂の臭みがあまり好きではないのだが、食べていると、これもまた味わいかと感じるようになった。
『容疑者Xの献身』を見た。
東野圭吾の『探偵ガリレオ』シリーズの同名小説を原作とする映画だ。2008年公開。
主人公である湯川(福山雅治)の大学時代の同級生で数学の天才だった石神(堤真一)が、アパートの隣人が起こしてしまった殺人事件を隠蔽する話。
これまでに何度か見ているが、やっぱり堤真一がいいなあ。結局みんな堤真一が演じる石神に憧れるのではないだろうか。私は憧れる。
そして同時に、全く石神的でない自分に嫌気がさす。俺は今までどれほどの数の頭の良い人たちに呆れられてきたのだろうと思ってため息が出る。
私は人と話すのが好きだから、人との会話が生じうる場面では割と積極的に話しかけるが、そのたびに私自身の程度というものを開示してきたはずだ。もちろんいちいちそんなこと覚悟して話しかけているわけではなく、「今思えば」という話なのだが、だからこそ、その躊躇の無さすらも相手を呆れさせてきたことだろう。
こういう思考に陥っていると、結局無口で不思議な人に惹かれてしまうのだな。
未知で目的が分からないものに対峙しているときが、最も不安を忘れられる。生き延びることに向けた目的を持つということは、順序通りに死んでいくことを認めるようで怖い。
いつ死んでもいいような在り方をすることで、その間は死を予定せずに済む。
こういった考えを他者とのコミュニケーションに持ち込むのは、失礼な話かもしれないが。
買い物のための道路。買物道路。