2023年12月30日 試金石としての新宿駅

昨日しっかり運動したからか、一度も目が覚めずに8時間寝られた。

特に予定のない日だったので、洗濯機を2度回しながら台所の掃除などをした。「大掃除をするぞ!」という意識を持たないまま結果的に大掃除が始まっており、いい流れだった。

掃除をしていたらPSPが出てきた。これはそのバッテリーである。

案の定、膨張していた。破裂していないだけよかった。PSPのバッテリーは膨張することでお馴染みなのだ。

調べたところヨドバシカメラで回収してくれるらしいので、新宿のヨドバシに持っていくことにした。

新宿の喫茶店に入って本を読んだ。

ヨドバシカメラの近くまで来たものの、バッテリーを家に忘れていることに気づいたのだ。

しかし新宿の用はこれだけではない。今日はコメティックの新曲MVが公開される日で、それが新宿の大型ビジョンでも放映されるらしいのだ。これを見れば元は取れる。

https://twitter.com/imassc_prism/status/1741006209472479298?s=46&t=GAYQocJeM7Z9ktwnIGQUCQ

19時過ぎに撮った写真である。大型ビジョンにはフォルクスワーゲンのCMが映されている。何かがおかしい。

すぐにツイートを確認して、場所を勘違いしていることに気づいた。フラッグスの方じゃなくて、アルタビジョンだった。こないだの天皇賞秋がこちらで放映されていたから完全に誤解していた。

走った。

「ハア、ハア、鈴木、ハア、す、鈴木ーーーーーッ!!!!!」

と叫びながら走った。叫んでいないが。

めちゃくちゃ遠いが、見えた。もう諦めてここで立ち止まって最後まで見た。音も聞こえた。

これは良いものだな。何が良いって、このとき新宿を歩くほとんどの人はこれを無視しているのが良い。

シャニマスのシナリオはどうしてもアイドルを中心とした視点で、そこで外部の消費者を描写するとしたらそれはアイドルに興味を持っている人か、あるいはネガティブな形だとしても何らかの反応があるからこそ描写される。シナリオに全く関係しない人は出てこない。

しかし現実では、はるかに大多数の人間がコメティックに関心を持たない。今日の映像を視界に捉えたとしても「なんか知らないアニメのやつをやってるな」などと思って終わり。そんな社会に向けて、アイドルのいろんな魅力をいろんな形でアピールしようとしているのが283プロダクションの仕事なのだ。(第一義に、この映像は新規ファンの獲得に向けたマーケティング施策であることは承知しているが、「興味を持っているものが流れているから見る」という段階も少なからずあることを踏まえての上記の記述である)

私はこれまで自分が興味を持ったコンテンツをあえて「布教」しようと思ったことはないが、アイマスは消費者の立場に「プロデューサー」という肩書きが付与されるため、他の消費者にも興味を持ってもらえるような発信をすることがゲームプレイの一部になりうると考えている。そういうつもりでツイートしたり日記を書いたり寄稿をしたりしている(知っている人しか分からないような書き方も多いが)。

それゆえ今回のような、シャニマスのコンテンツが大衆の目に触れる空間を体験することは、自ら(我々)の成果を疑似的に確認することにもなる。私の発信なんてほとんど意味を成さない微力中の微力だが、それでも主観的に没入するのが一つの遊び方だろう。今後も機会があったら見てみたい。

放映終了後、一応アルタ前に行ったら、目的を済ませたオタクたちが所在なさげにスマホをいじっていた。なんか分かる。

私だったら、「MV終わってすぐに帰るのは『いかにも映像目的のオタク』って感じかもな……」とか思って、無意味に「19時に友達との待ち合わせをしていたらたまたま知ってるキャラが出てきたから見てみた」という雰囲気を演出すると思う。スマホでは感想ツイートの文面を考えながら、態度としては「……ったく、あいつ連絡も返さねえな。どこいるんだよ」みたいな顔をして駅の方向を見遣るなど。さらに踏み込んで楽しむなら、それを鈴木との待ち合わせだと思い込んでもいいよな。

あ、全然関係ないエピソードを思い出した。本当に関係ない。

私がハロプロの活動を追っていた大学生の頃、水族館の年パスを買って1人でよく行っていた。それはハロプロに関係なく、ただ昔から水族館が好きだから。

ある日、いつものようにひととおり鑑賞し、出口手前のお土産コーナーのぬいぐるみをぼんやり見ていたら、隣に誰かが立った。そこにある商品を手に取りたい人なのだろうが、そのときは平日の昼間で全体的に空いていたので、「近くに人が来た」と思う程度には気になる距離感だったのである。

私はほぼ反射的に、ちらっと横を向いた。すると向こうもこちらを見て、目が合った。その人は、ハロプロのアイドルだった。

すぐに前を向き直し、二度見をすることはしなかった。彼女の余暇に雑念を生じさせたくなかったから。「隣に人が来たから一瞬気にした人」であることに徹した。そして自然なタイミングで速やかに退館した。気が気じゃなかった。

松屋のビーフシチュー。汁が多くてうまかった。肉のブロックは一つしかなかったが、そういうもんだと思う。そもそもシチューだし。汁を味わう料理だ。

松屋のモバイルオーダーを推奨する掲示物。

「どうしよ、あっ。後ろの人にらんでる」と言われている「後ろの人」も松屋の客なわけで、松屋は「注文に手こずる人を睨む人」も顧客層として想定しているんだな、と思った。