いきなり金沢に行ってみた。
駅を出たらこれがあり、「そういや鼓門って金沢駅だったか!」と思い出した。存在については漠然と知っていたが、着くまで何も考えていなかった。
金沢に行く直前、モンゴルナイフさんに「金沢の食べ物といったら何を想像しますか?」と聞いたら名前が挙がった8番ラーメン。もう23時だったが、期せずして遭遇できたので入店した。
「8番ラーメン」という名前の商品。その時点では味が確定しておらず、味噌や醤油など4種類のスープを選べた。野菜が多くて良い。
ホテルなど予約せずに行ったので、24時間営業のスーパー銭湯で一晩過ごした。公衆浴場自体久々だったので、のびのびと入浴できてよかった。
寝るためのリクライニングシートは、周りの人々が盛大にいびきをかいていたり、朝5時過ぎあたりから各々のアラームが自由に鳴り響くうえに持ち主が全然起きなかったりして、寝られたもんじゃなかった。耳栓をしていても貫通してくる。また、私の睡眠時の姿勢的にリクライニングシートで寝るのは難しく、フラットな席を選ぶべきだったと強く後悔した。
ほぼ眠れずに迎えた、日本海側らしからぬ快晴の朝。
写真中の持ち上げられた道路は、国道8号である。数字が一桁の国道は、当然だが全国に9つしかない。しかしそのいずれもが大規模な道路なので、特別レアというわけではない。国道8号は、新潟と京都を結ぶ。
ここで「そういや8番ラーメンの由来は知らないままだったけど、国道8号が関係あるのでは?」と思って調べたら、ズバリだった。国道8号沿いで1号店がオープンしたらしい。
国道8号を下から見上げる。
観光らしい観光の第一歩として、忍者寺という呼称のある妙立寺というとこに行った。ここは実質的に金沢城の出城としての役割を持っており、前田家の偉い人らが祈願をする場所でありながら敵襲を防ぐための仕掛けが至る所に張り巡らされている造りになっている。忍者がいたわけではないが、忍者屋敷のような複雑さを持っているという意味である。
堂内を巡る約40分の見学コースがあり、案内人の語りと併せて大満足の体験だった。堂内は写真撮影が禁止だったことが残念だったが、その構造は私の趣味にぴったりハマった。私はずっとこういうものを作りたいと思ってきたんだな、と自覚するほど。
コースを案内してくれたおじさまは穏やかでありながら寺の魅力を際立たせる慣れた口調で聞き入ってしまったし、その前の本堂で座って聞かされた録音音声の若い男性の読みもなかなかよかった。「読みの技術はプロというわけではないだが、伝える内容を完全に理解しているからこそ出せる説得力」みたいなものがあり、それゆえの感動もあったので、人はもっと頻繁に音声を録音すべきだと思った。まあ、他者に伝えられるほど何かを理解している人というのがそもそも少ないんだろうが。
にし茶屋街というエリア。ちょうど最近仕事で編集した記事に出てきた店などがあり、聖地巡礼感があった。
街の中にある尾山神社(おやまじんじゃ)。和漢洋折衷の建築とのことで、異彩を放っていた。石が積まれた手前の三連アーチの内部は木造らしい。
近江町市場。朝だからまだ混んでいなかった。
「もりもり寿司」という呑気な名前が若干の不安を誘う回転寿司店。しっかり美味かった。
白身魚の味噌汁。
北陸あたりの名物というガスエビ。
手前からヒラメ、何か白身魚、のどぐろ。
ほか、黒ムツも食べた。総じてうまかった。やはり魚がうまいとされる土地の魚はうまい。
金沢城跡。
チームラボの展示が準備されていた。
多い。
皆さんも経験したかと思うが、この土日は秋の訪れを明確に感じさせられる涼しさで、この上なく快適だった。そんなタイミングで金沢を旅行してしまい、高揚により頭がおかしくなるかと思った。
兼六園。
日本最古の噴水らしい。
兼六園コーラというクラフトコーラを飲んだ。スパイスを13種類使ってるらしい。クラフトコーラってやはり好きだ。
兼六園から富山方面への眺望。地形が楽しい。
ここで着物を着たカップルに「写真撮ってくれませんか?」と言われ、撮ってあげた。縦と横でそれぞれ何枚か撮ったが、成果を見た2人の反応が薄くて落ち込んだ。男は「横いらないね」とか言ってたし。
兼六園を出てからもしばらく引きずった。2人が望む写真を推察できなかった悔しさを。
兼六園を出てすぐにある21世紀美術館。
21世紀美術館というと、行った人がみなアールになっているガラスの外壁を撮影している印象があったが、それはこの建物が完全に円形だからだった。私はそのことを全く知らず、どこか特定のアールの外壁をこぞって撮影しているのかと思っていた。実際はどこを撮ってもアールなのだ。
こういう巨大な展示があった。
ここの吊り加減が痛そうだなと思った。
このプールが21世紀美術館にあるということを知らず、入館後目の当たりにして「これってここにあったの!?」と驚いてしまった。普通に考えたら、これ目当てにわざわざ金沢に来る人もいるぐらいだろう。己の無知に改めて驚いた。
ジェームズ・タレルという人の作品である部屋。上の青は実際の空だ。雨の日は普通に雨が降ってくるらしい。足元を見たら4隅に排水溝があった。
夜、居酒屋に入っておでんなどを食べた。金沢おでんという名物らしい。輪っかの形をした車麩がうまかった。
そんな感じでした。最後まで素晴らしい気候で、終始快適に金沢の街を楽しめた。強いていうなら金沢競馬場に行けなかったことだけが少し心残りだがマストではないし、金沢観光で一般的に押さえておくべきところは大体回れたんじゃないかと思う。この突貫具合でこの満足度なのだから、そりゃみんなが旅行に来るわけだと思った。