2019年ぶりに親戚で旅行に来た。
「ぶり」の使い方が間違ってるか。これだと私がキリストの先輩になってしまうな。
2019年以来の親戚との旅行に来た。
これならギリギリ問題ないだろうか。「4年ぶり」と言ってしまうのが最もシンプルなのだが、2019年という数字を残してみたかった。
一応、鬼怒川である。家族に老人がおり、過度な遠出が難しいため、親戚との旅行といえばいつも栃木か群馬の温泉地なのだ。
どういうところに泊まるかは全く知らないまま車に乗っていたんだけど、到着したのは星野リゾートだった。自分の判断じゃ絶対に来ないところだ。ここ数年で旅行しなかった分の貯金をおろしている感がある。
この写真だけでは「どこがホテル?」と思うだろう。これはホテルではなく、ホテル直通のケーブルカー乗り場なのである。右側に見える壁の奥に発着場があり、3畳弱ほどの広さのケーブルカーに乗って斜面を登るとホテル構内に到着し、スタッフが待っている。
なんか面白かった。
部屋に用意されているお菓子がでかい。せんべいが12枚入っていた。
益子焼。館内にはやたらと益子焼が置かれている。
部屋に露天風呂がついている。1階なので、クマが来たら終わる。クマでなくとも、人が来る可能性はないんだろうか。
献立の文字が多くて面白い。
担当を名乗る人が現れて、「本日は若い席をご用意しております」と言った。
若い席ってなんだ、他よりグレードが低めってことだろうか、しかしわざわざそんなこと言うかな、などと考えていたら「和懐石」だった。
囚われの小鉢。
「アフタヌーンティーかよ」と言ってしまった。
肉や土鍋ごはんもあり、全部うまかった。フォアグラを干し柿で包んだやつとかあって面白かった。星野めし。
夜、「益子焼ナイト」という催しがあった。益子焼の歴史についてマイスターがいろいろ教えてくれた。
途中で「この4つのうち名工の作品はどれでしょう」「最も値段が高い作品はどれでしょう」などといったクイズがあり、全問正解した。しかも理由まで完答できてしまったので、我ながら嫌なやつだと思った。星野リゾートでインテリぶりやがってさ。でっ、でも、私以外の奴らがなんでも鑑定団を見てないのが悪いんだからな!
最後に、益子焼で作った笛を吹きながら益子焼を叩くパフォーマンスを披露してくれた。『ゼルダの伝説 風のタクト』みたいな雰囲気があってすごくよかった。
終わった後に叩かせてもらったら、強く叩いても全く心配ない叩き心地で、ボゥンボゥンと鳴って楽しかった。焼き物の中には石が入っており、1オクターブ分の音階が分けられていた。
大浴場を出たところにフリードリンクが置かれており、説明を読むと「葡萄にオレンジや生姜を漬け込み、シナモンやクローブなど香辛料で香り付けしたホットドリンクです」とあった。小洒落ている。小洒落ないと気が済まないようだ。
世界のキッチンからシリーズで数年前に出ていた「薫るホット葡萄」みたいな味がしてうまかった。あれ本当にうまかったからなあ。今年出ないならもう作ってしまいたいな。
星がよく見えた。オリオン大星雲も写っている。
館内はどこを歩いても違和感なく静かで、頭がすっきりする感じがある。これはいいものだ。ここに住みたい。