2024年1月14日 走る人たち

都道府県対抗女子駅伝をなんとなく見ていたら、兵庫2区で田中希実選手が走っており驚いた。陸上女子の中長距離といえばまさにトップランナーであるが、駅伝に出るイメージはなかったから。でも中学生の頃からこれまで7回出ているらしい。結構な頻度で見ていたのに知らなかった。まあそれだけ近年の活躍が目覚ましいということだろう。あとこれまで1区ばかり走られていたから、チャンネルを回した時にはもう走り終わっていたのかもしれない。田中希実選手の走りはストライドが大きくて迫力があるほか、勝負としての仕掛けの大胆さが見応えあって楽しいのだ。

都道府県対抗女子駅伝は、私の小中学校の友達が栃木代表で何度か出ていたから以前から割とよく見ていた。今年はもう出ていなかったが。

友達は2人出ていたのだ。近所でよく遊ぶ同級生4〜5人がいて、その内の2人がのちの栃木代表だった。彼女らは陸上部で、もちろん走るのが好きだから我々はいつも鬼ごっこをしていた。私は足が速くないため、追い詰められた時は「そこを飛び降りたら流石に着いていけないよ」という山の斜面などをあえて飛び降りることでなんとか勝負を成り立たせていた。だからよく怪我をしていた。

彼女らはまさに切磋琢磨しており、片方が明確に速いということは無く、常に一緒に走って少しずつ記録を高め合っていた印象だった。大会ごとにどちらが勝つか分からないレベル。そして2人とも栃木を背負う駅伝選手になり、全国の舞台で隣の区間を走って直接たすきを渡していた。フィクションみたいな関係である。

https://twitter.com/shibanori914/status/1745094782030954626

何日か前のことだけど、桑山千雪役の芝崎典子さんが出演していたニコ生の番組があった。毎回アイマスの関係者が呼ばれて、好きなアイマス曲を紹介していろいろ話す番組。初めて聴いたけどすごく良くて、これまで2ヶ月間も芝崎さんが出てたなら全部聴いておくべきだったと後悔した。

最後に、芝崎さんが「(2ヶ月出演していた)私がいなくなることを寂しく思わせる曲を選んだ」というようなことを言っていて痺れた。相手の記憶に爪痕を残すためのテクニックを持っていて、それを行使しようと考えたことに震える。特に芝崎さんのようなほんわかした方が突然こういう武器を振りかざすとドキッとする。

ただこれは今回のような場合でない一般的なコミュニケーションに置き換えると、相手との関係性を勘違いしたままやってはいけないことだと思う。たとえば双方が抱く好意に関して、相手と対等かそれ以上にある人であればこそやっていいことというか、相手から特に好かれてもいない人がやったら普通に迷惑行為に類する可能性がある。トラウマを残しうるという点では痴漢などと変わらないんじゃなかろうか。あるいは単に空振りして精神的に自爆するか。

主に恋愛では、そういう見えない境界線を跨いだり退いたりする判断が求められるんだろう。たまに失敗して嫌われたり捕まったりする人がいる。相手にとっては恋愛じゃなかったことが分かる。競技ではないのだから、ジャイアントキリングに憧れるのは自惚れだ。タモリにタメ口で話しかける人がいないのと同じ。

元の話に戻ると、あの番組のリスナーはみんな芝崎典子さんのことが大好きだから当然いくらでも切り裂いてくれていいんだけどね。みんな「私の心を貫いてください」と思いながら聴いてるんだし。

昨日の雪は案外残っていた。

雪玉を作って猫に差し出したら、スンスンと嗅いでどこかに行った。舐めたり触れたりして冷たがったら面白いと思ったのだが、そんな都合のいいコミュニケーションはとってくれない。