ニンテンドーSwitchの周辺機器に「プロコン」と呼ばれるコントローラーがある。
簡単に言うと、本体付属のコントローラーよりも上質なコントローラーである。
しかしこのプロコンは、丸いスティック部分の内部にホコリが溜まりやすいという欠点もある。それによって入力が正確に認識されない不具合も生じ、アクションゲームなどではそのわずかな誤差が勝敗を決しかねない。
そんな問題を解決するために「自分で分解して内部に溜まったホコリを除去する」という非公式の手段があり、例に漏れず不具合に悩まされている私はこれを試すことにした。
100均で精密ドライバーとブロワーを買った。様々なサイトを参考にした感じでは、これだけで充分いけるらしい。作業自体は全く複雑ではないのでサクサク進めよう。
まずはコントローラーの下部先端にある左右のネジを外す。
2時間かけても全然外れず、ネジ穴が潰れた。
小さなネジの溝にはもう、精密ドライバーでさえ引っかかることはなくなった。
このネジが外れなければ何も改善できないのに。
絶望した。
それでも私は諦めなかった。
————あれは小学校高学年、算数の授業中のことだった。
先生が突然「ピラミッドの作り方を知ってるか」と言った。
もちろん誰もが「石を積んで山を作る」という方法を知っていた。しかし先生は「ピラミッドの作り方はもう一つある」と言う。
児童達は考えた。
しばしの沈黙の後、1人の聡明な少年が口を開いた。
「周りを掘ればいい」
その少年こそが、私であった。
25歳になった私は、1時間かけてプラスチックの持ち手をカッターナイフで削り、ネジの側面を露出させた。
これによりネジをペンチで掴んで回すことが可能となり、無事に分解の工程を進めることができた。
問題のスティック部分には謎の短い毛やホコリが溜まっていたため、ピンセットやブロワーを用いて丁寧に取り除いた。
そして全てを元に戻し、Switchを起動して動作確認をすると、「これまでの私はどれほどのハンデを背負ってスプラトゥーンをプレイしていたのか」と感じるほど快適に操作できた。
めでたしめでたしである。
皆さんもプラスチック関連で困ったことがあったら「最悪、削れる」ということを覚えておくといいかもしれませんね。チャオ!