2022年6月20日 さようなら店員さん……

結局こういう朝が来る。

朝とは言ってもほぼ昼みたいな時間に食べたので、昼はパスする形でいいかなと判断。

 

のち、めちゃくちゃ腹が減ることになる。

 

会社にあったお菓子をかき集めた。
左から「博多のひと」、京都の「グラッ茶」、「札幌農学校」。
北から南まで充実のラインナップだ。

 

実際の位置関係どおりに配置してみた。

 

チョコレートもらった。
40種類の唐辛子が入っているらしい。
普通の料理でもそんな数の唐辛子は入らない。

舌がピリッとした。

 

常備しているカンパンも出した。おかわりもして無心で食べ続けた。

 

かなり空腹で迎えた夜。
店を決めずに会社の近くをふらふらしていたところ、4人ほど並んでいるカレー屋があったので、私も並んでみることにした。

順番を待ったのち入店したら「すいません、お客さんの前の人までで今日終わり!」と言われた。
全員が俺を見た。

仕方なく退店した。

 

「あのカレー屋はしばらく行きたくないな」と思いながら歩いていると、餃子屋を見つけた。

とにかくサッと食べてしまいたい気分だったので、餃子とごはんだけでいいやと考えて入店した。

入ると、関西弁の若い男性店員が「いらっしゃいませ〜!こちらのお席へどうぞ!」と言いながらカウンター席の椅子を引いた。
丁寧な接客だなあと思いながら座ると、続けてその店員が喋った。

「いらっしゃいませ!当店ご利用されたことありますか?」

なんだ? 餃子屋がなぜそんなことを聞く?

「ないです」
「当店まずお通しを出させていただきます。そして当店は餃子専門店ですので、餃子を1人前ご注文いただきます。そのあと追加注文される場合はこちらのQRコードを読み取っていただいて、スマホからご注文ください。最初にドリンク1杯ご注文いただきますが、何になさいますか?」

おい待て……、待て!!!!!

お通し、餃子、QRコード、ドリンク?

餃子の注文が義務ならお通しまで設定するなよ。
餃子専門店なら飲み物の注文を義務にするなよ。
居酒屋じゃないんだろ。

俺はここで「あ、やっぱ出ます」と言うことが全然できるのだが、改めて店を探すのがだるかったし、もう二度と来ないだろうという直感があったので、腹を決めて、異文化の地を観光する感覚で食べてみることにした。

 

とりあえず飲み物は302円の烏龍茶を注文した。これが一番安いし、まだ仕事中だったからだ。
お通しはキャベツの浅漬けみたいなやつ。220円。

『餃子にめちゃくちゃ合う白米』という、275円のごはんがあったので注文した。
ちなみにごはんはこれ以外に無い。

 

やがて店員が小さい餃子を7個持ってきた。これは義務の餃子だ。352円。

そして「タレの説明はいかがなさいますか?」と聞いてきた。

説明の必要なタレを餃子屋が置くなよ、と思いながら「お願いします」と答えた。もはやこういうところを聞いていかなければ観光の甲斐がないからだ。

「ありがとうございます。左から餃子のタレ、ラー油、味噌ダレ、酢ゴショウとなってます。(酢ゴショウは)酢と、コショウですね。味噌ダレと酢ゴショウはそのまま付けて召し上がれます。ラー油は辛いので少しづつ付けてお召し上がりください」

うーん、たっぷり喋ってくれる。醤油と酢を置いていないのが気になったが、これも観光だ。

餃子を食べた感想としては、小さいなあと思った。ごはんも少ない気がした。

二度と払うことのない高い入場料を払っているわけだし、冥土からの土産としてもう一品注文することにした。

 

中華そば、とのことです。748円。
これで合計1900円。押忍。

 

私は最近PayPayを多用しているので、ここでもPayPayで会計しようとしたら「すいませんうち現金かカードしか使えないんですよー!」と言われた。そうですか。QRコードでの注文システムはPayPayの導入より易しいんですかね……。

現金で会計を済ませ、レシートを受け取ろうとしたら、なかなか渡してこない。
どうしたものかと店員の様子を注視したら、左手でポケットをまさぐっていた。

そして小さなビニールの包みを差し出して言った。

 

「お土産のアメちゃんです!おおきに!」

 

楽しい観光だった。最後に裏ドラまで乗せてくれたしな。非常に清々しく「ごちそうさん!もう来ません!」と思えた。

店内には芸能人のサインとか結構あったし、常連っぽいお客さんもいたので人気店ではあるのだろう。

ちなみに私が食事している途中で入店してきた男性は最初のシステム説明の時点で帰っていたし、ほかの男性は「スマホの充電が切れているから注文ができない」と言って厨房のコンセントを借りていた。

ホームページとか見たけど、なんか「飲食店ビジネスを一生懸命学んだんだなあ」と感じた。
言葉を多用するブランディングは好きじゃない。

 

今日は今後行きたくない飲食店が2つ増えたわけだが、不思議と悪い気持ちはしなかった。

ウミガメのスープというゲームでも、「いいえ」になる質問が真実を捉えることがあるじゃないか。
そういうことです。
そういうことにしてください。

でも1900円あれば松屋に4回行けたなあ。

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