蒲田で行われる「アー(旧:明日のアー)」の公演を見てきた。
今回はコントではなく出し物というスタンスで作ったらしい。たしかに出し物という感じだった。(今日が初演だったこともあってネタバレになりそうな感想は自主的に避けるので、以下ふわっとしてます)
前回の公演も見に行かせてもらってめちゃ面白かったけど、今回の方がより面白くてずっと笑っていた。マスクをしてなかったら恥ずかしくなりそうなぐらい常に口角が上がっていた気がする。今回ここまで気兼ねなく笑えたのは、こういう演劇的な空間やアー自体への慣れもあるのかもしれない。にしても、すごく面白かった。なんか偶然の不具合が個人的には面白く作用していて、他人事として気のままに笑えた。
私は前回の公演以来藤原浩一さんのパフォーマンスのファンなので、今回も満喫できて嬉しかった。動くたびに話すたびに面白い。あの感じって本人は自覚してるのかな。自覚してるとして、コントロールできているのか気になる。
てか最寄駅の糀谷(こうじや)あたりの飲食店の揃い具合がなかなかすごかったので、行く機会があったら散策してみてほしい。日高屋以外の求めるもの全てがあった。写真はサーティワンと不二家のハイブリッド店舗。時間なくて入らなかったけど気になる。
夕方からはシャニマスのライブ配信を見た。家に戻るタイミングがなかったので、ベローチェに入って最初から最後まで見た。後ろが壁の席なら良かったんだけど、通路を背にする席しかなくて、いろんな人の羨望の眼差しを受けながら視聴していた。
ライブでは、声優が歌って踊るわけである。私はシャニマスの楽曲ならサブスクにあるものは全て知っているし、キャラクターの見た目や声やざっくりとした人となりは知っているが、声優の名前や見た目に関しては全く知らない。和泉愛依役の北原沙弥香さんがハロプロエッグにいた頃の映像をうっすら知っていたぐらい。
そんな感じでライブを楽しめるのか不安というか、実際見た結果「声優のライブじゃん」という感想で終わったら怖いな、という考えが正直あったのだが、結果ぜーんぜん杞憂だったし超よかった。しっかりシャニマスのライブだったし、これをきっかけに「ちゃんとシャニマスを知ろう」という気持ちになれた。
そもそも私はキャラクターよりも楽曲からシャニマスに興味を持ち始めたから、好きな曲がパフォーマンスとともに歌われていく時間がただ嬉しかった。
そのうえで、声優のビジュアルや振る舞いの奥に、キャラクターそのものが見えるのだ。全員そう。声優としての個人を見せるのではなく、その元のイデアとしてのキャラクターを映すために声を出し身体を動かしていた。特に樋口円香役の土屋李央さんは、「樋口円香」を投影する雰囲気がすごすぎて何度も目を疑った。
(ていうか土屋李央さんを見るたびに「あれ?俺、樋口のこと好きなのかな」という気持ちがぼんやりあって、これは先日のオモコロブロス記事でも書いたけど、樋口円香さんに対しては無条件に同級生イズムが生まれているんだよな。今日も「クラスの樋口がステージに立ってる」と思いながら見ていた。私が樋口円香さんに心を奪われたというより、私の中の「樋口の同級生」が見惚れていた。これってなんなんですかね)
今回は斑鳩ルカが加入した3人グループ「CoMETIK(コメティック)」のお披露目の場でもあった。想像はしていたけど、演目の第一曲からコメティックでまんまとテンション上がった。最後まで計3曲やって、全部良くて参ったよ。早くすべて配信してほしい(と思ってたらもう2曲配信されてた)。
コメティックの1曲目は斑鳩ルカ、2曲目は郁田はるきさんがそれぞれ中央に立つ形での歌い始めだったから、「3曲目の第一声は鈴木さんかな。各曲にセンターみたいな人を配置することにしているんだろうか」と考えていたらその通りで、最後の挨拶に全く同じ内容の説明をしてくれて「おお……」となたー。(斑鳩ルカってフルネームの語感がいいからさん付けしたくない)
ストレイライトは、持ち曲の曲調以前に存在するキャラクター3人の攻撃性(に由来するプロ意識)みたいなものがビシビシ伝わってきて感動した。「魅せる仕事なんだ」という意識を持つ黛・和泉・芹沢がいて、「その意識をトレスして観客に伝えるんだ」とする幸村・北原・田中の3名がいた。あとやっぱり曲がパワーあっていいな。普段から特によく聴いている『Timeless Shooting Star』が見られてよかった。
シーズはもともと好きな曲が多いグループだから、パフォーマンスとして見られて特に嬉しかった。にちかの高音やっぱ好きだ。緋田美琴役の山根綺さんは、いかにも野心家だなというオーラがギラギラ出ててすごかった。
開幕から上記グループの激しめの曲が3曲続いたところにノクチルの『Catch the Breeze』が来て、「おい、湯上がりのポカリか!沁みすぎだっつーの!笑 そういやノクチルこないだポカリとコラボしてたっけ? 名采配だっつーの!笑」と喜んでいたら、後半で『Dye the sky.』という圧力高めの全体曲がノクチル歌唱で始まって、「あっやべ、ノクチルこういう一面も見せるんだ、やべ、気圧差やべ」とか思ってたところ、普通に心臓の不整脈が起こって「ケホッ」つって小さくうずくまってしまった(でもノクチルのみんなのおかげですぐ大丈夫になったよ!)
これまで見てきたハロプロやジャニーズのパフォーマンス(いわゆるアイドルの括り)に対して、シャニマスのライブとしてグッときたのは、どのキャラクターも決まった振り付けや歌割りに従ったパフォーマンスを行う、ということだったかもしれない。「普段はマジョリティや同調を嫌いそうな人たちも振り付けは決まったとおりに行うんだ」という、仕事だから当たり前ではあるものの個人の印象とのギャップに少し心を動かされた。
一昨日あたりの日記で書いた「全員に号令をかける黛冬優子が見たい」という気持ちと似たもので、何かに従うということはそれを一緒に遂行する人を信用しているということである。安心まで委ねるほどの信頼かはともかく、同じルールに従うと決めた意思はたしかにあるはずだ。その判断に感動する。樋口円香(土屋李央さん)はそこらへん分かりやすくてすごくよかった。斑鳩ルカ(川口莉奈さん)はむしろそこに意味が発生しまくるようで、露骨な演出が楽しかった。終盤の全体パフォーマンス中の笑顔とか、「人」すぎて、ベローチェの椅子に座りながら碇ゲンドウのポーズとっちゃったもんな。不整脈になったりネルフになったり忙しい奴。
てか斑鳩ルカの川口莉奈さんは、MCのときにはっきりと声優としての素を突きつけていてびっくりした。それが方針なんだ、という関心。序盤のパフォーマンスとか見てて「ヒースレジャーみたいになっちゃわないのかな」と少し心配だったから安心した。
もう色々書いたり書き直したりしてたらど深夜になって疲れちゃったのでここらで終わります。明日もDay2があるから楽しみだ。土日書かなきゃいけない記事がいくつかあるのに全然進んでなくてやばいけど、まずは283プロのみんなに勇気をもらおうと思う。
今日は総じて、人々の前に立つ人の姿を見た。人々の前で演じる人の姿を見た、とも言える。
何かを演じる機会って、学生だった頃はちょくちょくあったような気がするが最近はめっきりだ。私も演じることとその技術向上のための試行錯誤をしたい。我々は、演技という遊びの手段を軽視している気がする。
なんかとりあえず個人的な趣味の範囲でやってみるべきかもしれない。演技を。
正直シャニマスライブの人達への憧れが爆発している。