2023年12月2日 堂食どう食す

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panpanyaさんの新刊『商店街のあゆみ』が出た。書店限定のイラストペーパーというのがもらえるというので高田馬場の芳林堂書店に行った。これは新刊恒例のアイテムで、なにがなんでも欲しいというわけではないが一応もらえるならという感じでここ何冊かは毎度これがもらえる店舗で買っている。

書店では平積みになっており、1冊を手にとってレジに行った。その道中、本来であれば薄いビニールで書籍とともに包まれているはずのイラストペーパーが付属していないことに気づいた。「レジでもらえるのかな」と思いながら会計をしたが、最後までそれは登場しなかった。

正直これがもらえなくてもとりあえず本が手に入ればいいのだが、せっかく来たのに何も言えずに終わるのはなあと思って店員にイラストペーパーのことを聞いてみた。すると「えっ……この本のビニールを剥いて中を確認していいですか?」「……ないですね。他の店員を呼ぶので少々お待ちください」となり、新たに来た店員が「……これは、〇〇さんに聞こう」と言い、3人目の店員が「……少々お待ちください」と言ってどこかに行った。

なんか手間をかけさせてしまっているなあと思いつつも店内をうろつきながら待っていると、3人目の店員が「お待たせしましたっ……!」という感じで戻ってきた。その手にはイラストペーパーがある。明らかに今刷ったものだった。

「すいません、ありがとうございます」とまさに謝罪半分感謝半分の気持ちで紙を受け取り、退店した。去り際、この本が置かれていた売り場の前で真剣な表情をしている3人目の店員がいた。たぶん、なんらかの理由で特典の存在が忘れられていたんじゃないかな……。私の行動が多少なりとも有意義であったならいいのだが。

早速すべて読んだが、今作も素晴らしかった。「うるう町」「商店街のあゆみ」が特に好き。こんなに楽しいものを私も作ることはできないだろうか……。

高田馬場をうろついていたら、全然読めない店があった。ネットにもほぼ情報がなく、というかどれが店名なのか分からないから調べようもなく、とりあえず店頭にある「激ウマ肉付き骨煮込み定食」という日本語を信じて入店した。

入店即、中国語の嵐。店員に何かを言われたがまったく聞き取れなかった。なんとなく「1名様ですか?」みたいなことを聞いてきたんだろうと思って、人差し指を立てて「ひとりです」と言ってみたら「?」といった表情をされた。悔しい。

席を案内されることはなく、自由に座ってよさそうだったが、全然空いていない。人気なんだ。それにしても中国語しか聞こえてこない。最近は別の中華料理の店で同じような空間に慣れていたが、そこよりも日本語の通用しなさを感じた。

やばいかも~と思いながら一番奥まで進んだらテーブル席が1つ空いていたのでなんとか座れた。席にはタブレットがある。注文に困ることはなさそうだ。

タブレットは日本語に対応していた。左上の「豚の頚骨セット」が看板メニューの定食っぽいのでそれを選んだ。

すると、サイズを「堂食」か「打包」から選べと言われた。ここは日本語に対応していないらしい。分からなすぎる。どっちかは大盛りあるいはミニサイズってことか?だとしたら大か小でいいよな。まったく対照性のない文字だが、本当にサイズの話をしているのだろうか。

まあ量が変われども食べられさえすればいいので、適当にどっちかを押してしまおうかと思ったが、幸いいずれも見慣れた漢字だったので一応スマホで検索した。

店内飲食かテイクアウトだった。サイズの話と違うじゃないか。これでテイクアウトを選んでいたらさすがに笑い者だったぞ。

Googleに感謝して堂食を選択した。

到着。右のスープは私がこぼした。

メニューを信じる限り、これが豚の頸骨というものらしい。骨付き肉というより、肉の付いた骨がたくさんある。写真では分かりにくいが、内訳はほとんどが骨である。この状態のまま箸で食べることはできない。そして卓上には、1箱100枚入りの薄いビニール手袋が用意されている。これはつまり、その手袋をはめて掴んで食べろということだろう。しかしもっと細かいルールというか、うまく食べるためのフローはないんだろうか。それを指南するようなメニューなどは置かれていない。

近くを通った店員に声をかけた。

「あの、食べ方ってありますか?」
「? ~~~~~(なにか中国語を話す)」
「あ……。どう、食べる?」
「? ~~~~~(なにか中国語を話す)」

全然わからない。挙句の果てに「How to eat?」とかいう怪しい英語を発してしまったが、結局手袋を使うことしか分からなかった。

手袋をはめて骨を手に取りかじってみたところ、肉はポロンと取れるわけでもなく、筋みたいなものが骨との間に残っていたので、それをしっかりちぎる必要があった。それに、このまま食べていると箸を持つタイミングがなく、肉以外のごはんなどが最後に余ってしまう。先にすべての骨から肉を剥がすことにした。

取った肉。一部は剥がす過程で骨に直接かぶりついて食べた。
残った骨。

結果がこんな感じ。こう見ると骨の多さが分かるだろう。むしろ肉が少ないようにまで見えてしまうかもしれないが、実際そんなことはない。

満を持して手袋を外すと、普通に指先がベトベトになっていた。硬い骨をあれこれしていれば、あの程度の手袋は余裕で破れる。ティッシュも用意されていたのでそれで拭いた。

味は、しっかりうまい。角煮みたいなアジアンテイストの煮込み肉料理という感じ。米が進む。そして付け合せの酸菜、大根の漬物がかなりうまかった。これも米が進む。

過程は面倒だけど、これはかなり好きかも。880円というのも悪くない。

会計時に対応してくれた店員が日本語の定型文を話していたので、この人ならもしかしたら話を聞けるかもと思い、「このお店はいつ始まったんですか?お店、スタート(したのはいつ)?」と聞いたら「14日」と答えてくれた。先月の14日ということだろう。そりゃネットに情報がないわけだ。

骨を手でぐりぐりやるのはなんか面白い体験だったし安いしおいしいのでおすすめです。今日の日記は現在ネット上で最も詳しくこの店での過ごし方を解説しているページだと思う。

店名だけはよくわからない。