2024年2月19日 空の優等生

休みをとって高知県に行ってみることにした。大学の先輩とたまたま休みを合わせられたので一緒に。先輩は直前まで仕事で福岡におり、高知で現地集合することになった。

飛行機は大学3年時の北海道旅行以来6年ぶりぐらいか。1人での搭乗は初めてだ。かなり緊張しており、死のリスクを考えてはずっと憂鬱になっていた。Twitterで「飛行機」とフォロー内検索して、「みんな結構乗ってるけど生きてるな……」と考えて心を落ち着かせていた。

私が選んだ座席は1-Aだった。搭乗口から最も近い席である。

搭乗口は非常口にもなる。したがって最前列の6席に座る者には「非常口座席のお客さまへ」という案内が渡され、非常時のドア開閉作業や乗客の誘導・制止の協力が求められる。

先日の羽田空港での事故を受け、私はこの席を率先して選んでいた。誰よりも私が適任だと思ったからだ。飛行機には乗り慣れていないが、マニュアルを覚えて従うことはできる。指示を出すための大きい声も出せる。命の危機が生ずる場面で知らない誰かに舵を任せるぐらいなら私が責任を持ちたい。

アマチュア乗務員としての意識が芽生えた私は、搭乗開始時刻を確認してアナウンスより早めにスタンバイし、受付開始後まもなく機内に入り、ただちに非常用マニュアルを読み始めた。

私の座席の目の前には搭乗口があり、立て続けに乗客が入ってくる。その乗客たちに見られている、という自覚を持ってマニュアルを読んだ。後から来る乗客に対し、「非常時に対応することになる乗客がちゃんとマニュアルを読んでくれている」という安心を与えるのだ。こういった姿勢を見せておくことで、よりリラックスした状態での空の旅を提供できるとともに、いざ非常事態を迎えた際に私が指示を出すとして「搭乗直後にマニュアルを熟読していた人だ。あの人の指示なら聞いておこう」と思ってもらえるかもしれない。

やがて離陸のときを迎え、乗務員に案内資料を返す際、「しっかりお読みいただきありがとうございます」と言われた。同じ責務を与えられた6席に座る者のうち、そのメッセージは私にしか投げられなかった。

非常口があるために離着陸時は手荷物を一旦全て棚に乗せる必要があったり、それでも手元に残していい荷物(スマホやペットボトルなど)があったり、シートベルトをつけたりという手順があるわけだが、私は全て乗務員の指示を受けるまでもなく完了していた。そしたら、完了していない人をサポートする乗務員が「こちらの方のように……」と言って私を手本に示し始めた。それはそれでどうなのか。

やがて飛行機は動き出し、空港内を長々とうろついたのちに離陸。

雲の層が分かれていて楽しかった。飛行機に乗ることが決まってからの数週間は不安で仕方なかったが、飛んでしまえば楽しい乗り物だ。

そして無事高知空港に到着。着陸時の天気は悪かったが飛行機は大して揺れなかった。操縦がうまかったのかな。機長ありがとう。

あいにくの雨だが、バスに乗って高知駅まで辿り着き、先輩と合流。この後に乗りたい特急列車の時間を確認しつつ、私があまりにも空腹だったのでなにか食べられる場所を探した。先輩は仕事でしょっちゅう高知に来ているため、駅付近の情報は完全に任せてしまった。

ひろめ市場という観光地。平日の夕方だから一見空いているかと思いきや、中はしっかり賑わっていた。

屋台が有名な安兵衛という餃子屋のひろめ市場店。野菜は細かく刻まれており、コショウが強めで美味かった。皮はほぼ揚げられている感じで、噛めばサクサクと崩れていく。

高知といえばカツオのたたき(わら焼き)だ。ここには明神丸という店が入っていた。

塩たたき丼。やはりうまかった。左のはあおさの天ぷら。

蔵木というつけ麺屋。

先輩がおすすめしてくれたやきめし。麺も食べるから流石に食べ過ぎかと思い、小サイズを半分ずつ分けた。うまかった。卵がぴらぴらしつつもふわふわでちょうど私の好みな感じ。

この店の名物っぽい牛モツつけ麺。うまかった。

駅に戻りつつ立ち寄ったスーパーで買ったごっくん馬路村。これ石塚2裕子が犬マユでおすすめしてて、小学生ぐらいの頃に飲んだことがある。苦味が残っていてうまい。

以上、すべて1時間の間に飲み食いした。高知で食べるものはひととおり味わってしまった気がする。

旅のメインは明日なのだが、悪天候の予報が出ている。少しでもマシになることを祈る。

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