2022年11月21日 人を興奮させる色

今日の空は文句無い快晴だった。

全日本女子ホッケー選手権は、栃木県日光市のグラクソ・スミスクラインが優勝した。きっとこれまで選手たちは、なにくそ・スミスクラインの根性で頑張ってきたんでしょうね……。

本屋にいたら、おばさんが入店してきて「ひらがなを覚えられるカルタありますか?」と尋ねていた。

続けて「車が好きな子で、街に出ると車のナンバープレートを見るんだけど、文字が書いてあるのが気になるらしいの。だからそれを読めるようにね」と言っていた。なるほど。

ひらがなを読めるようになった子が、街の車を見て「て! 3 5 2 7! さ! 1 4 1 2!」などと音読するようになる未来は自明だ。
そのとき、ひらがなの持つ意味に興味を持つようであればその子の賢さが伺えてしまいそうだよな。私は完全に興味を持てない側の子供だったから、こう考えるだけで悔しい。その子に負けたくない。ぼくは、ぼくは、大学を卒業したんだぞっ……!

本屋では漢検準一級の問題集をチラッと見てみたんだけど、これは勉強すればいけるなと思った。ていうか「勉強すればいけるな」と思えない事って無いかもしれない。だってその仮想の自分は必ず勉強をしているわけで、もし実際やってみてダメだったとしたら「まだ勉強が足りていない」と捉えるだけだから。
叶わない夢は無い。全ての夢は、まだ叶っていないだけなのだ。

なんだこの文章? 努力の啓発者か?

努力の啓発者でなく、シンプルな自惚れだ。
私は「やればできる」と思っているだけで大方行動に移さないし、ダメだったとしても上記のように都合よく受け止めてショックを受けないから頑張りにブーストがかかったりしない。
つまり「勉強すればいける」という言葉に意味は無い。

でもまあ漢検準一級は実際いける。いくかいかないか、それだけ。いけと言われたらいく。まだいってないだけ。いこうと思えば一瞬。準一瞬。

まったく、見知らぬ幼児への嫉妬で調子が乱れた。しかしひらがなごときで調子に乗られちゃ困るから、ここでははっきりと力の差を見せつけなくてはいけない。すまん、童。

ふと水路を覗いたら、目の前をカワセミが2羽飛んでいった。

カワセミの青色はどうしてあんなに綺麗なんだろう。あれを見て感動しない人は少ないと思う。感性がどうこうの話でなく、あの鮮やかさは野生の鳥の中で明らかに異色だ。

今回を含め、私はこれまでカワセミを5回見た。多い方かもしれない。

最も印象的だったのは高校3年の夏。
そのときは夏休みだったが、学校が好きだった私は自主的に朝早く登校しており、校舎がまだ開錠されていなかったので校庭のトイレで用を足していた。
小便器の前に立ちながら、小窓から覗ける水路をぼんやりと見ていたら、カワセミがスーーッと横切っていったのだ。往復はしなかった。

おお!カワセミ!と思ったが、夏休みだったので同級生は登校しておらず、感動を誰かと共有することはなかった。

あれは良い日だった。

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