2021年8月29日 高校野球と肉

夏の全国高校野球史上初となる兄弟校同士の決勝戦は、智弁学園和歌山高校が奈良の智弁学園を下し、優勝した。

試合は序盤から差が生まれる展開で、智弁和歌山は長打やホームランで勢いよく得点を重ねていった。智弁学園も随所でランナーを溜めるものの、智弁和歌山の堅実な守備に得点を阻まれるシーンが多かった。もはや上位校同士の戦いになると守備の質こそが見所であるとも感じるが、今回は攻守で抜かりなく力を発揮した智弁和歌山が深紅の旗を手にした。

実はこの決勝戦で、私はずっと智弁学園を応援していた。その理由は、前日の準決勝第二試合 智弁学園対京都国際の試合後インタビューにある。

インタビューを受けていたのは智弁学園のピッチャー、小畠くんだった。
その日の準決勝第一試合で智弁和歌山が勝ち決勝に進むことが決まっていたため、第二試合で智弁学園が勝ったことによって決勝での智弁対決が実現することとなった。そこでインタビュアーから「決勝の組み合わせについてどう思うか」と訊かれ、小畠くんはこう答えていた。

「智弁学園、奈良が本校なので、負けるわけにはいけないと思います」

試合後なんとなくつけたままのテレビから流れてきた映像と音声だったが、この言葉が聞けてよかったと思った。自身の所属に対する筋の通った矜持というものが私は好きなのだ。「奈良が本校なので」というのは、つまり分校の智弁学園和歌山高校には負けたくない、という意味である。自分たちこそが祖であるという意識が彼らの推進力の一つになっているということが素晴らしいと思い、決勝では智弁学園を応援しようと決めた。

歴史や先人の意志なんてものは実体のないもので、それを敬ったところで直接得することなど無いのだが、あえてそれを誇りとして心に留めることで踏ん張ろうとしている人を見ると、私はいたく心を打たれる。これこそが人間としての生き方の一つだ、と思う。

まあこれは現代の価値観からすると古くさい考え方で、傾倒すると己を見失いかねないことでもあるのだが、どんな形であれ土台のしっかりしたプライドを持っている人を見ると私は感動する。

夏の全国高校野球は、全ての都道府県の代表校が出場するので、地元の看板を背負って戦っているんだという意識がぶつかり合うのを見るのも楽しみの一つである。

今年は諸事情で出場を辞退せざるを得ない高校も多々あったので、来年こそは万全の形で開催されることを期待している。

そして今日は肉の日だった。

いつもは当日になってから「今日肉の日じゃん!」となるが、今回は前日から把握していたので、高校野球を見たのちに買おうという計画を立てており、その通りに行動した。

ステーキ用の牛肉と、ローストビーフ用の牛赤身肉と、角煮用の豚ブロック肉を買った。いつもより多めだが、明日行こうと思っていた回転寿司をパスすることにしたので、このような構成を決断した。

今日はステーキ肉を焼いて食べた。ニンニクもたくさん焼き、肉とともに食べた。うまかった。

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